BLOG

記事

誘導灯20分と60分の見分け方とは?違いや設置基準を解説

2024年12月02日

誘導灯は、非常時に建物内を安全に避難するために欠かせない設備です。誘導灯は、避難経路を知らせる重要な役割を持っています。そんな誘導灯は、20分タイプと60分タイプのものがありますが、この違いや見分け方はご存知でしょうか。

 

今回は、誘導灯の20分と60分の違いや見分け方、正しい設置場所などを紹介します。誘導灯をこれから設置する方、設置している誘導灯がどちらのタイプかを見分けたい方は、参考にしてみてください。

 

誘導灯とは

誘導灯 20分 60分 見分け方

誘導灯とは、非常時に人々を安全に避難させるための防災設備で、建物内の通路や出口を示す照明器具の一種です。火災や停電などの緊急時には、誘導灯が点灯し、視界が悪い状況でも避難経路を明確に示すことができます。

 

非常灯は「非常口のマーク」としても知られ、非常口や通路に設置されているのを誰もが見たことがあるはずです。

 

誘導灯の種類

誘導灯には、大きく分けると2つ種類があります。

誘導灯 20分 60分 見分け方

誘導灯 20分 60分 見分け方

 

 

 

 

 

 

画像のような緑色の誘導灯と白っぽい背景に緑色の矢印がある誘導灯です。

 

緑色の誘導灯は「避難口誘導」と言い、避難口となる建物の出口や入口などに設置されています。

 

一方、白っぽい方の誘導灯は「通路誘導灯」と言い、避難口へ続く通路や階段に設置されています。通路誘導灯は、矢印が書いてあり、どちらの方向に避難口があるかを示します。

 

それぞれの誘導灯の意味を知っておくと、緊急時にも見分けられ、スムーズに避難ができるでしょう。

 

誘導灯20分と60分の違い

誘導灯 20分 60分 見分け方

誘導灯の20分タイプと60分タイプの大きな違いは、停電時に点灯する時間の長さです。

 

20分タイプの誘導灯は、比較的短時間の非常事態に対応するために設計されています。このタイプは、短期間での避難を想定した施設や環境に適しており、必要な明るさを少なくとも20分間は持続します。

 

短い避難経路をカバーするために必要な時間を満たすため、迅速な避難が可能な小規模な施設に適しています。

 

一方、60分タイプの誘導灯は、避難に時間がかかる場合でも対応するため、より長く点灯できるようになっています。例えば、広い建物や高層ビルなど、非常時に時間がかかる避難を想定した場所などで使用されます。

 

誘導灯に20分と60分がある理由

誘導灯 20分 60分 見分け方

誘導灯の点灯時間が分けられてある理由は、建物の大きさや構造によって、避難に要する時間が異なるからです。

 

小規模な施設では、避難が短時間で完了するため、20分間の点灯時間でも十分な場合があります。これに対し、広い商業施設や集合住宅、複雑な構造の建物では、避難が完了するまでに60分間の照明が必要となるケースがあります。

 

また、60分タイプの誘導灯の場合、点灯する時間が長いため、その分バッテリーの容量も大きく、20分タイプよりも価格が倍近く高いです。

 

このように、建物の規模や構造に合った誘導灯が必要なため、20分タイプと60分タイプの誘導灯が存在します。

 

誘導灯60分の設置場所

60分タイプの誘導灯は、避難に時間がかかるとされている施設に設置されています。この章では、具体的にどのような場所に60分タイプの誘導灯が設置されるのかをご紹介します。

 

60分タイプの誘導灯の設置基準は、以下の通りです。

 

  • 延べ面積5万平方メートル以上
  • 地階を除く階数が15階以上、かつ、延べ面積3万平方メートル以上
  • 延べ面積1000平方メートル以上の地下街
  • 地下駅及び地下駅に通じる階段など

 

このような場所では、避難に時間がかかる可能性があるため、長時間点灯する60分の誘導灯が必要になります。

 

具体的には、以下のような場所と考えると分かりやすいでしょう。

 

  • 大型商業施設
  • 高層ビル
  • 地下街

 

基本的には、これ以外の場所に設置してあるものは20分タイプの誘導灯であると見分けられます。しかし、誘導灯が設置された時期によっては、現在の基準を満たしていない物もあります。両者を確実に見分ける際には、次に紹介する方法がおすすめです。

 

誘導灯20分と60分の見分け方

誘導灯 20分 60分 見分け方

この章では、20分タイプと60分タイプの見分け方について、具体的な方法を4つ紹介します。今、設置されている誘導灯が何分点灯するタイプなのかを知ることは、施設の安全性を確保する上でとても重要です。

 

誘導灯のデザイン自体は同じなので、どちらのタイプなのか見分けることは難しいでしょう。

 

今回紹介する方法を、ぜひ参考にしてください。

 

試験運転による見分け方

誘導灯が20分タイプか60分タイプかは、試験運転をすると見分けることができます。点灯し続ける時間をチェックし、規定の20分間または60分間正しく点灯するか確認することで、実際の誘導灯の時間を見極めることが可能です。

 

また、誘導灯の試験は、定期的に行うことが推奨されています。この方法を用いることで、バッテリーの性能やLEDの寿命も同時に確認しましょう。

 

誘導灯の認証マークや仕様書での見分け方

誘導灯が20分タイプか60分タイプかは、認証マークや仕様書で見分けましょう。誘導灯には、点灯時間が明示されたラベルや仕様書が付属しています。そこには、非常灯の照明器具本体やバッテリー部分に、どのくらいの時間点灯するかが記載されているのです。

 

60分タイプ誘導灯の認証マークには、「60分」と記載があり、20分タイプ誘導灯には時間の記載がありません。

 

型番による見分け方

誘導灯が20分か60分かは、製品の型番で見分けましょう。誘導灯には、製品ごとに異なる型番が付与されています。型番には、点灯時間が含まれていることが多く、これを基にして20分タイプか60分タイプかを見分けることが可能です。

 

誘導灯の型番を調べる際には、製造メーカーの公式サイトや製品の取り扱い説明書を参照しましょう。

 

専門家に依頼する

誘導灯が20分タイプか60分タイプか自分で分からない場合は、誘導灯のメーカーや防災設備に詳しい専門家に見分けてもらう方法もあります。

誘導灯は、定期的な点検が義務付けられているので、その際に専門の業者に依頼して確認するのも一つの方法です。

 

また、交換時期や適切な設置基準も同時に確認してもらえるので、より安心です。

 

誘導灯20分・60分を見分けて正しく設置を

誘導灯 20分 60分 見分け方

誘導灯の選定において、20分間または60分間の点灯時間に応じた製品を適切に設置することは、建物内の安全な避難を確保するために不可欠です。

 

避難経路の長さや施設の規模に応じて、見分け方を理解し、最適な誘導灯を設置することで、非常時に確実に避難者を避難口まで誘導できます。

 

定期的な交換や点検を怠らず、法的要件にも従って設置し、安全な防災対策を行いましょう。

東報防災工業株式会社では、火災報知設備や防排煙設備、消火器など、多様な防災機器を取り扱っております。施設の防災対策において、最適な設備選定や設置のご提案も行っております。

 

防災に関するご相談やお見積りのご依頼は、お気軽にお問い合わせページよりご連絡ください。

 

お問い合わせはこちらから